介護のコミュニケーションの土台は「安心」|新人職員・実習生が最初に知るべき関わり方
利用者さんとのコミュニケーションが上手く取れずに悩んでいませんか?
- 上手く本音を聞き出せない
- 利用者さんとの関係性が上手く作れない
- 利用者さんが心を開いてくれない
実は、コミュニケーションのポイントを知るだけで、
利用者さんとの関係は一気に良くなり、仕事も実習も楽になります。
なぜなら、
「コミュニケーションの土台は、利用者さんに安心してもらう」ことだからです。
私は特別養護老人ホームで介護福祉士として20年間働き、
何度も失敗し、悩み、利用者さん、ご家族に教えてもらいながら、コミュニケーションについて学んできました。
この記事では、新人職員や実習生に伝えてきた
「利用者さんに安心してもらい、円滑なコミュニケーションが取れるポイント」
を、やさしく・わかりやすくまとめています。
この記事を読むと…
- 利用者さんに安心してもらえる
- 利用者さんと関係が良くなる
- 介護拒否のある利用者さんへの関わり方がわかる
こういった変化が自然に生まれます。
【結論】
コミュニケーションの土台は
技術ではなく「安心してもらえる態度」が大切です。
誠実な態度は、少しずつ利用者さんに伝わり、関係づくりの土台になります。
コミュニケーションは、上手に話すことではありません。
「この人は安心できる」と感じてもらうこと。
それがすべての始まりです。
コミュニケーションの土台は「安心」

人は「安心できない相手」には、言葉も感情も出せません。
安心できない相手には、認知症や寝たきりの方であっても、思いや感情は伝わりにくくなります。
だからこそ、
会話の前に「安心」を届ける必要があります。
安心がないと身構える
介護現場は、利用者さんにとってはプライベートな空間です。
そこに、知らない人、慣れない人が近づいてきたら…
- 目的が分からない
- 味方か敵か判断できない
- 何をされるか分からない
利用者さんの頭の中は
「何しにきたの?」
「この人は大丈夫?」と
不安でいっぱいで、言葉が入りにくくなります。
事例
新人職員さんが、利用者さんの部屋の扉を少し開け、起きているのを確認してから、声掛け、入室、自己紹介をした。
職員Aさん!
さっき知らない人が部屋を覗いてたんや。
ここ玄関が自動ドアで、誰でも入れるから。危ない。
新しい職員さんですよ。
先程、挨拶してたと思いますけど…
知らん。
かってにきて、何か話していった。
玄関に受付あるけど、常に見てるわけ違うやろ。気をつけや。
(職員の心の声)
新人さん、丁寧に挨拶してたけどな…
利用者さんは最初に「知らない人に覗かれた」と不安になってしまい、その後の新人職員の言葉が耳に入らなくなってしまいました。
そのため、挨拶にきた新人職員さんのことを「怪しい人」と判断。
利用者さんは身構えてしまうと…
- 話が入ってこない
- 表情が固い
- 拒否
- 無反応
といった反応がおきます。
コミュニケーションの土台は安心です。
不安な利用者さんには言葉が届かない。
でも大丈夫。
これらは新人職員、実習生だけでなく、経験者でもよくぶつかる壁です。
ポイントをおさえれば、利用者さんはあなたに心を開きやすくなります。
コミュニケーションで失敗して落ち込んだときは、一人で抱え込まず、こちらの記事も読んでみてください。
▶︎「介護で失敗しても関係は取り戻せる」現場経験から学んだ対処法
安心はどうやって作る?

自分を知ってもらうことが、スタートラインです。
知らない人にいきなり話しかけられたら、誰でも不安になります。
認知症の方なら、なおさらです。
そのため介護では、
「安心してもらうための自己紹介」が必須です。
- 名前
- 自分の役割(職員/実習生/ヘルパー など)
- 来た目的
これだけで利用者さんの不安がスッと和らぎます。
▶︎ 介護現場で大切な「コミュニケーションの本質」は、こちらの記事でわかりやすく解説しています
コミュニケーションの土台とは?
「この人は危険ではない」と感じてもらうための態度です。
安心を伝えるのは「態度」が重要
- 穏やかな表情
- 優しい目線
- 声のトーン
- 相手のペースに合わせる
- 忙しそうにしない
- 驚かせない
- 否定・論破をしない
- 正論を押しつけない
利用者さんは、言葉より「雰囲気」を敏感に感じ取っています。
この土台があるだけで、利用者さんはあなたに心を開きやすくなります。
コミュニケーションの土台は、技術ではなく「安心してもらえる態度」が大切です。
安心の種類は人それぞれ違う
安心の感じ方は、利用者さん一人ひとり違います。
だからこそ、「これをすれば全員が安心する」という正解はありません。
利用者さんにとっての「安心」は、形が一つではありません。
- 私のことを誰よりも知ってくれる
- よく気づいてくれる
- 必要なことを教えてくれる
- 介護が丁寧
安心してもらえる関係が作れると、職員側も利用者さんと関わりやすくなります。
安心は新人でも築ける

安心は介護技術、知識の有無だけじゃありません。
新人職員・実習生でも築けます
- 笑顔で口調が優しい
- 呼んだらすぐきてくれる
- 約束を覚えててくれる
- 真面目に取り組んでいる
- 一生懸命頑張っている
利用者さんは、職員や実習生をよく見ています。
真面目に取り組む姿勢そのものが、利用者さんに伝わります。
安心は「積み重なる」
安心は何度も利用者さんとかかわることで、積み重なっていきます。
- 名前を覚えてもらえた
- 表情が和らいだ
- こちらを見てくれるようになった
- 拒否が減った
安心すると、利用者さんは一つひとつ心を開いてくれます。
利用者さんによって、そのペースも違います。
認知症や寝たきりの方も、言葉が理解できない方も、安心は感覚でわかります。
毎日の「小さな安心」の積み重ねが、利用者さんと良い関係を作ります。
安心は「信頼」に変わる
安心は積み重なると信頼になります。
「この人なら大丈夫」
「この人になら話してもいい」
信頼は一気に作れませんが、
安心は今日から作れます。
まとめ
コミュニケーションの土台は、技術ではなく
「安心してもらえる態度」です。
- 最初に自分を知ってもらう
- 誠実で優しい態度で接する
- 「小さな安心」を積み重ねる
このポイントを意識すると、利用者さんに安心していただき、円滑なコミュニケーションが取れるようになります。
上手く話せなくても、「ゆっくり・やさしく・わかりやすく」説明しようとする姿勢そのものが安心になります。
新人職員・実習生だからこそ、専門知識や技術よりもまず『安心』を届ける人になってほしい。
「態度」は今日から変えられます。
一つずつ試していきましょう。
上手くできなくても大丈夫。
失敗しても、やり直せます。
「安心」は、今日からまた積み重ねていけます。


利用者さんが身構えてしまった時、
それは職員が悪いのではなく、まだ「安心」が届いていないだけのことも多いのです。